2004年1月3日 |
インドア世界選手権第3戦
イギリスGP(シェフィールド) |
1月3日、ドギー・ランプキンの生家の街にほど近いシェフィールドは、インドアトライアル大会として、長い実績を誇る大会だ。セクションのコーディネイトも、かつては、ドギーの父親であるマーチンが担当するなど、ランプキンとは縁深いイベントでもある。
会場は、これまでのモンツァ、香港と比べるとぐんと大きく、8000人のお客さんを収容する立派なもの。入場料40ユーロ(4500円ほど)はヨーロッパのインドアではかなりの高額になるが、それでも満員という盛況だった。
外は冬のイギリスらしく、どんよりと曇って寒々しいが、スタジアムの屋根の下では熱戦が繰り広げられた。広い会場いっぱいに設営されたのは9つもの採点セクション。クォリファイラップはこれを12分で走る。さすがに時間に余裕がなく、タイムオーバー続出。藤波も、ちょっと時間を超過して1点の減点を加算した。
今回の藤波のスタート順はびりから3番目。上位陣の3人の中ではもっとも早いスタートではあるが、去年は6人のうちでもっとも早いスタート順だったことも多いから、これは大きな進歩。このスタート順は、第1戦第2戦を終えて、ランキング3位をキープしているゆえの結果だ。
序盤、藤波は好調、クリーンを連発する。しかし、休みたいときに休めないのがインドアのつらいところ。9つのセクションを10分あまりの間に一気に走る。インドアフルシーズン参戦3年目。藤波には、今少しの経験がほしいところ。行けるか落ちるかの第8以外は、きちんと走ればクリーンの可能な設定だったが、第6以降、藤波には疲れも見えていた。
それでも無事クォリファイラップ3番手で走りきってファイナルに進出。ランキング3位争いのライバルだったカベスタニーはファイナルに進出できず。藤波の勝負の焦点は、より上を目指して進路を変えつつある。
ファイナルは、同じく9つのセクションを、すべて逆走でトライする。絶好調だったのは地元ランプキン。藤波もラガも落ちた第3のインを華麗に登り、その強さには誰も歯が立たない。
一方この日、ラガは今ひとつ走りがさえない。藤波は、ラガを標的に、2位の座をねらってトライを進めていた。4位に落ちることは考えていなかった。しかしランプキンは、この日は誰の敵でもなかったのだ。
藤波のこの目標は、第7で落ちたことによって、やや雲行きがあやしくなってきた。しかし決定的だったのは、次の第8でのクラッシュだった。
ここには、ジャンプして飛びつく設定があった。藤波がここに飛びついたとき、ハンドルが折れた。アンダーガードを思い切り叩きつけられたマシンは、ステップまでもぎ取れていた。
されど、マシンはスペアがあるからいい。藤波は、このクラッシュで再び足を負傷した。
「再び」というのは、去年のインドアシリーズで藤波はこれとまったく同じ負傷を経験しているのだった。くるぶしに大きな衝撃を受け、見る見る腫れてくる。去年の負傷よりも症状は多少軽いが、去年は左だけ。今回は両方だ。
倒れ込んでしまった藤波は、すぐに患部を冷やされ、残るひとつのセクションを1点で走りきった。その後に控えるのがハイジャンプだ。足への負荷は、大きい。冷やして、テーピングでぐるぐる巻きにして、また冷やす。なんとかハイジャンプを飛びきって、3位キープとなった。
負傷は、骨には異常がなく、今後についても「腫れがひけば、無理をしない範囲でトライアル活動が可能との診断が出ているが、インドア世界選手権に出ながら無理をしないというのもむずかしいものがあり、翌週のドイツ大会への参加には、少々の不安もある。
○藤波貴久のコメント
けがは、おとなしくして冷やして回復を待っています。アウトドアにはぜんぜん影響ないと思いますけども。去年は決勝に残るのに一生懸命でしたが、今年は、そろそろ1勝を、という感じですね。ラガの勢いも去年ほどではないので、なんとかしたいです。今はあらためて、スタート順の重要性を感じているところです。
FIM Trial
World Championship 2004
Hallam FM Sheffield Arena United Kingdom |
Final Lap(決勝) |
1位 |
ドギー・ランプキン |
17 |
2位 |
アダム・ラガ |
23 |
3位 |
藤波貴久 |
33 |
4位 |
グラハム・ジャービス |
36 |
Qualificarion Lap(予選) |
1位 |
ドギー・ランプキン |
5 |
2位 |
アダム・ラガ |
5 |
3位 |
藤波貴久 |
10 |
4位 |
グラハム・ジャービス |
11 |
5位 |
アルベルト・カベスタニー |
13 |
6位 |
マルク・フレイシャ |
15 |
7位 |
シャウン・モリス |
41 |
Ranking |
1位 |
ドギー・ランプキン |
28 |
2位 |
アダム・ラガ |
26 |
3位 |
藤波貴久 |
17 |
4位 |
アルベルト・カベスタニー |
14 |
5位 |
グラハム・ジャービス |
12 |
6位 |
マルク・フレイシャ |
11 |
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