2003年12月5日 |
インドア世界選手権第2戦 中国GP(香港) |
12月5日、インドア世界選手権第2戦は、その歴史上初めて、中国、香港に足を踏み入れた。ランプキンにとっては、母国イギリスの植民地だった香港だが、藤波にとっても、同じアジア人の住む街での開催とあって、新鮮味のある大会となった。会場は香港島の見本市ホール。地上7階でのトライアルショーとなった。
インドアトライアルのスタート順の抽選は、前戦までのランキングの上位3人が遅いスタートのくじを引き、下位3人が1番から3番までのくじを引く。藤波は前回3位だったので、いかにくじ運が悪くても、最後から3番より早くはならないということになる。第1戦での活躍が、今回の戦いにもよい影響を与えている。結果、藤波は最後から2番目のくじを引いた。前回と同じスタート順だが、藤波のあとにスタートするのは、ランプキンではなくてラガとなっていた。
セクションは、前回に比べるとやややさしい設定。5点にはなりにくく、トップを狙うならクリーンが必須となる状況だった。
第4セクションは、鉄製のコンテナがふたつ重ねられていた。ここに駆け登る際、コンテナの縁にタイヤをたたきつけるのだが、これが勝負に影を落とした。この角で、タイヤが音を上げてパンクをしてしまうのだ。
ランプキンがセクションアウトと同時にパンクに気がつき、即座にパドックに帰る。いつもならインドアには各ライダーごとに1台のスペアがあるが、飛行機の移動となる今回は、モンテッサはチームメイトのマシンをスペア扱いとすることにしていた。ランプキンは、即座にフレイシャのマシンを使ってトライを続ける(ランプキンの次のトライ順が藤波だから、藤波のマシンを使うわけにはいかない)。そして5つのクリーンとひとつの1点をマークしたが、真新チェンジに要した時間分だけタイムを費やし、タイムオーバー減点を2点献上している。
藤波は、ランプキンを上まわる好調さで、セクションを攻略する。いよいよインドアでも本領発揮かと思われたが、ランプキンと同じ第4セクションで同じようにパンク。藤波は、直後の第5セクションに空気を入れ足してトライするが、穴ははるかに大きかった。空気が抜けきってしまってヒューム管から脱落、痛い5点を喫してしまった。その後ランプキンと同様にフレイシャのマシンを借り出した藤波だが、マシンポジションのちがいもあって最終セクションでさらに1点を追加、タイムオーバーもあって8点と、一番くじを引いてしまった不運なフレイシャについでの大量減点となってしまった。
その後のハイジャンプでは、バーを落とさなかったラガとカベスタニーに対し、ランプキンと藤波が1本落とし、フレイシャとジャービスが2本落とした。ラガとカベスタニーに対しては点差を広げられたが、ジャービスにはここで1点詰め寄ったことになる。
藤波は、しかしフレイシャとのダブルレーンの勝負も負けてしまい1点を追加、決勝進出は絶望的状況となったうえ、最終成績も気になるところ。藤波にとって不幸中の幸いだったのは、ランプキンとのダブルレーン勝負であせったジャービスが、最後の階段を登るのに苦労し、ランプキンに負けた上に2回の足つきを喫したこと。ここで藤波はジャービスに対して逆転に成功し、決勝進出は逃したものの、からくも4位の座を獲得した。
藤波のいない決勝では、昨年のインドアチャンピオンであるラガが好調に走って今シーズン初勝利を得た。カベスタニーは3位に落ち着いたため、藤波はランキングでも、からくも3位の位置をキープしている。
次戦は1月3日、イギリスのシェフィールドで開催される。
○藤波貴久のコメント
「パンクが痛かったですね。フレイシャのマシンは、クラッチレバーの位置がまったく合わなくて、苦労しました。以前、こういう状況でランプキンのマシンに乗ったことがあって、その経験からランプキンのマシンに乗らず、フレイシャのに乗ったのですが。第5セクションでマシンを乗り換えればよかったのかもしれませんが、インドアはたった8分の間に6つのセクションを走らなければならず、トラブルがあってもその時間内に解決しなければいけないので、むずかしいです。インドアについては、まだまだ学ぶことが多いということですね」
FIM Trial
World Championship 2004
Hong Kong Convention & Exhibition Center China |
Final Lap(決勝) |
1位 |
アダム・ラガ |
2 |
2位 |
ドギー・ランプキン |
5 |
3位 |
アルベルト・カベスタニー |
7 |
Qualificarion Lap(予選) |
1位 |
アルベルト・カベスタニー |
1 |
2位 |
アダム・ラガ |
5 |
3位 |
ドギー・ランプキン |
6 |
4位 |
藤波貴久 |
10 |
5位 |
グラハム・ジャービス |
11 |
6位 |
マルク・フレイシャ |
14 |
Ranking |
1位 |
アダム・ラガ |
18 |
ドギー・ランプキン |
18 |
3位 |
藤波貴久 |
11 |
4位 |
アルベルト・カベスタニー |
10 |
5位 |
マルク・フレイシャ |
8 |
6位 |
グラハム・ジャービス |
7 |
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