2003年11月29日 |
インドア世界選手権第1戦
イタリアGP(モンツァ) |
11月29日、インドア世界選手権第1戦。暦はまだ2003年だが、例年、インドアトライアルはこの時期に新しいシーズンが始まる。
第1戦は、イタリアのミラノの近く、F1のサーキットで有名なモンツァの町で開催された。このスケジュールも、ここ数年おなじみのものになった。
インドア選手権の第1戦ということで、スタート順はアウトドアのランキング順によって決められた。トップライダー6名しか参加しないインドアトライアルでは、スタート順はアウトドアより重要なポイントを持つ。アウトドアでは、それぞれのペースでセクションにトライすることができるが、インドアでは、決められた順でトライが強いられるからだ。
2003年世界選手権でランキング2位を獲得している藤波貴久は、最後から2番目に走ることになる。まずは、悪くないスタート順を得たと言っていいだろう。
藤波にとってさらに幸運だったのは、セクションが比較的むずかしかったことだ。セクションがむずかしければ、5点になる確率も高いが、一度犯してしまった5点の失敗を挽回するチャンスもある。一発の走破力には長けていながら、ヨーロッパのほかのトップライダーに比べるとインドアの戦いに慣れていない藤波には、失敗に対して神経質にならなければいけない状況は、苦しい戦いを覚悟しなければいけないのだ。
まず、7人(常連のトップライダー6名プラス、地元イタリアのミケーレ・オリッツィオが加わっての7人)全員が走っての予選ラップ。6つのセクションを走ったところでトップスコアをマークしたのはマルク・フレイシャで10点。ランプキンも同点で続いてラガが13点、ジャービスが16点。藤波はこれに続く17点で5位につけていた。7人のエントリーがある今回は、決勝に残れるのは4人。このままでは終われない。
オートバイで走り高跳びをする“ハイジャンプ”は、藤波、ラガ、カベスタニーが棒を落とさずにクリアした。ジャービスが2本の棒を落として2点を追加したので、ここで藤波は逆転4位につけた。
残るはふたりが「よーいどん」の競走をする“ダブルレーン”は上位2名ずつが体当たりして行われる。この時点で4位の藤波は、3位のラガと一騎討ち。そしてラガに打ち勝ち、4位の座を堅持した。予選トップはフレイシャ。ランプキン、ラガ、藤波の4名がファイナル(決勝)進出だ。
決勝は、セクションを多少手直ししたり、逆走で走ったりして勝負を競う。予選ラップではひとりがすべてのセクションを一気に走るが、決勝ではひとつのセクションを4人が順番に走って競う。予選では、6セクションすべてを走って9分という持ち時間が与えられたが、決勝では1セクションあたり1分(タイムオーバーはどちらも30秒につき1点)。
第1セクションをクリーンしたのはランプキンだけだった。ここでランプキンが一気に優位に立った。第2セクションでもランプキンはクリーン、かろうじてラガがくいさがって1点をとるが、藤波とフレイシャは第1、第2をともに5点。ここで勝負は、優勝争いと3位争いとはっきり別れた感があった。
藤波は第5セクションまで走ってクリーンがふたつ。今日のライバルのフレイシャはここまでで4つの5点を喫した。この時点で、藤波の3位はほぼ確実になったのだった。セクショントライのあと、ハイジャンプは4人全員がバーを落とさずに飛び抜いた。
ランプキンとラガ、2点差で迎えたダブルレーンではランプキンがラガを押さえて勝利して、ランプキンの優勝が決まった。
藤波は、開幕戦にしての表彰台。インドアが不得手という印象がライダー仲間にも定着したかにも思える藤波だが、インドア世界選手権フルシーズン3年め。ようやく戦い方にも慣れてきて、そろそろ今までの藤波のままではないというところを発揮できそうな予感がうかがえる開幕戦だった。
○藤波貴久のコメント
「開幕戦で表彰台というのは初めて。今までに比べれは順調な滑り出しかもしれないけど、でも、まだまだなんともいえません。インドアについて語るのはもう少しあとにしておきます。ぼくは、インドアについては“期待されていない”ところにいるライダーですから(笑)」
FIM Trial World Championship 2004
Palazzo dello Sport Monza Italia |
Final Lap(決勝) |
1位 |
ドギー・ランプキン |
11 |
2位 |
アダム・ラガ |
12 |
3位 |
藤波貴久 |
20 |
4位 |
マルク・フレイシャ |
22 |
Qualificarion Lap(予選) |
1位 |
マルク・フレイシャ |
11 |
2位 |
ドギー・ランプキン |
12 |
3位 |
アダム・ラガ |
14 |
4位 |
藤波貴久 |
17 |
5位 |
アルベルト・カベスタニー |
18 |
6位 |
グラハム・ジャービス |
19 |
7位 |
ミケーレ・オリツィオ |
32 |
※PDFファイルをご利用になるためには、Acrobat Reader (無料)が必要です。
右のバナーをクリックして下さい。 |
 |
TOP ▲
|