2006年 インドア世界選手権第6戦北アイルランド・ベルファストGP
2006年2月10日/ Odyseey Arena /観客数:5000人
ふたつめの5点が痛い。今季初の6位……
インドア 世界選手権の日程は、変更やキャンセルが日常茶飯事だ。そしてその結果、今回のような強行軍の日程が組まれることもある。藤波貴久、ドギー・ランプキンを含め、これに参加する全員がバルセロナに拠点を持っている中、今回は北アイルランド大会からロシア大会が中1日で開催される。といっても、参加する全員が同じスケジュールで移動するわけなので、イコールコンディションにはちがいない。
今回はシャウン・モリスとジェームス・ダビルの二人のジュニアチャンピオンがワイルドカードライダーとして参加した。“常連のワイルドカード”という扱いのボウに加えて、総勢8名。モリスとダビルはともにイギリス人。今回はスペイン人4名、イギリス人3名、日本人1名という顔ぶれとなった。
インドア世界選手権では、スタート順はノミネートライダーについてはランキング順で固定したままローテーションする。ノミネートライダーは5名。5戦を消化して一巡したので、今回はまたもとに戻って藤波のスタート順はノミネートライダーの中でもっとも早いものとなった。
第1セクションはワイルドカードのイギリス人がともに5点となった以外は全員クリーン。対して第2セクションはカベスタニーがクリーン、ラガが1点で抜けた以外は全員が5点。藤波の前を走ったボウも5点だから、藤波も5点はとったものの、ここまではまずまずの勢いで試合を進めていた。
第3セクションでは、カベスタニーがミスをおかした。ここはダビルもクリーン下セクションだが、カベスタニーでも、ときにはこんな失敗をするものだ。せっかく難所の第2セクションをクリーンしておきながら、この5点でカベスタニーはファイナル進出に赤信号を灯してしまうことになる。
しかしその後の第4セクションで、今度は藤波に赤信号。ここは藤波の読みではぎりぎりでいけるかどうかというセクションで、ボウも苦戦をしながらぎりぎりで走破、1点を献上していた。藤波も1点は覚悟で臨んだのだが、しかし登り切れずに落ちてしまったの5点。今回一番最後に走ったランプキンは、難所の手前でついた足を有効に使って、マシンを運びあげるようにして1点で走り抜けている。
結局、このセクションをクリーンで抜けたのはファハルドのみで、しかしノミネートライダーの中で5点となったのも藤波だけだった。この5点が、今回の藤波のポジションを決定づけたといってよかった。
その後、第7セクションで1点をついてカベスタニーと同点となった藤波は、ダブルレーンでカベスタニーと対決をして5位争いの雌雄を決することになったが、藤波には珍しく、ダブルレーンのガチンコ勝負で敗北を喫してしまった。セクション途中に滑りやすい丸太があり、それにてこずった時間がカベスタニーより藤波のほうがやや長かったのが敗因だった。
今大会、これまで不調にあえいでいたランプキンがいきなり2位表彰台を獲得した。藤波の鬼門だった第4セクションを確実に運び、ダブルレーンでボウに勝利してファイナル進出、ファイナルでは上々の走りを見せたうえに、なぜかファハルドがぼろぼろの走りで自滅してした。これで一躍ランプキンは、ランキングで藤波に1ポイント差まで迫ってきた。
○藤波貴久のコメント

Indoor Trial WorldChampionship 2006
Belfast |
Final Lap(決勝) |
1位 |
アダム・ラガ |
ガスガス |
9 |
2位 |
ドギー・ランプキン |
レプソル・モンテッサ・HRC |
15 |
3位 |
ジェロニ・ファハルド |
ガスガス |
25 |
Qualificarion Lap(予選) |
1位 |
アダム・ラガ |
ガスガス |
4 |
2位 |
ドギー・ランプキン |
レプソル・モンテッサ・HRC |
6 |
3位 |
ジェロニ・ファハルド |
ガスガス |
6 |
4位 |
トニー・ボウ |
ベータ |
8 |
5位 |
アルベルト・カベスタニー |
シェルコ |
11 |
6位 |
藤波貴久 |
レプソル・モンテッサ・HRC |
12 |
7位 |
ジェームス・ダビル
|
ベータ |
22 |
8位 |
シャウン・モリス |
ガスガス |
28 |
PointStandings(ランキング) |
1位 |
アダム・ラガ |
52 |
2位 |
アルベルト・カベスタニー |
41 |
3位 |
トニー・ボウ |
40 |
4位 |
ジェロニ・ファハルド |
32 |
5位 |
藤波貴久 |
26 |
6位 |
ドギー・ランプキン |
25 |
7位 |
ジェームス・ダビル |
5 |
8位 |
シャウン・モリス |
4 |
9位 |
ダニエル・マウリノ |
4 |
10位 |
ジェローム・ベシュン |
2 |
11位 |
タデウス・ブラズシアク |
1 |
|