2005年 スペイン選手権第2戦ゴンヨレス

悔しい2位。しかし収穫は、大

世界選手権開幕戦を1週間前に控え、スペイン選手権第2戦。今回、藤波のマシンには最後の仕上げのように軽量パーツが導入された。マシンのポテンシャルはどんどん向上しているが、しかしこの組み込みが完了したのが土曜日とあって、乗り込みは不足。しかし、今年になって新しい仕様への乗り込み不足があたりまえになった藤波のこと、乗り込み不足を言いわけにしない力強さが身についている。

藤波は、いつも序盤にからだの動きがかたいという試合の習慣がある。もちろん準備体操もウォーミングアップもしっかりやった結果だから、これはもう体質のようなものだ。しかし今回、からだはかたいものの、それが気になるような感じはなく、1ラップ目の出だしから調子よく走り出した。

好調をそのまま維持して試合を進めていたのだが、後半になって、藤波のコンセントレーションに、ちょっとしたほころびが見え始めた。10、11セクションと、ぱたぱたと足をつくと、さらに14、15セクションと2点、3点と減点すると、崩れたコンセントレーションをそのまま引きずって、なんと2ラップ目の第1セクションで5点をとってしまった。たった3セクションで、10点の減点を献上してしまったわけだ。

スペイン選手権の持ち時間は、今年から1ラップ2時間半となった。しかし第1戦の様子から、さすがにこれでは時間が短いということになり、今回から1ラップ3時間に変更されていた。しかしそれでも、時間は足りなかった。1ラップ目後半、時間に追われて気持ちに焦りが生じたことが、この減点につながったと、藤波は分析する。

5点で始まった幸先の悪い2ラップ目、その後は持ち直して、なんとかコンスタントに試合を進めていく。世界選手権とちがって、試合展開を把握してくれるチームスタッフが、今回はいない。「アダムと競っている」という情報は届けられたものの、正確な減点数はわからない。競り合っているという緊迫感を持ったまま、藤波とラガは、他のライバルを置き去りにして、少し早いペースで試合を進めていた。お互い、ライバルの減点はきっちり把握している。2ラップ目、ラガもそこそこ足をついている。

第13セクション。3段のぼりのこのセクションでは、ぴたりラインがのれば、美しくクリーンができる。しかしちょっとでもラインがずれると、絶対にうまくいかないというポイントだった。ここで、藤波のラインはわずかにずれた。残念だが、5点。しかし勝負は、まだわからない。

試合展開が正確に見えないまま勝負を終えると、藤波はラガにクリーン数で3つ勝っていたが、減点数は3つ負けていた。優勝はラガ、そして藤波は、2位となった。

しかし藤波は、翌週の世界選手権開幕戦に向けて、大きな収穫を感じている。日々ポテンシャルを上げているマシンにもいい結果を感じている。ニューマシンの走らせ方も、現時点では満足のいくところまでこぎつけたといっていい。同じマシンを走らせる、ランプキンやフレイシャに点差をつけられたのも、藤波の自信になった。

今回の教訓は、翌週のポルトガルで、きっと生きるはず。いよいよ来週は、世界選手権第1戦ポルトガル大会。この大会は、日曜日のみの1日制で開催される。

○藤波貴久のコメント

「4ストロークでの初優勝できるかと思ったのですが、結果勝てずで、とてもくやしいです。敗因は、2ラップ目の第1セクションの5点までの3セクション。13セクションでも5点になりましたが、敗因はこれではないと思っています。時間のないときのメンタルに問題があるわけですけど、これももう2戦経験しましたから、次はもう大丈夫です。今回は、きちんと勝負に出て負けてしまったわけですが、これをポルトガルへむけての最後の仕上げと考えて、ポルトガルでは、4ストロークでの初優勝を目指します！」

Pix: todotrial.com < http://www.todotrial.com/>

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