2004年2月8日
スペイン選手権第1戦 マンチャ・レアル(Mancha Real)

 スペイン選手権第1戦は、スペイン南西部、バルセロナから約1000kmのマンチャ・レアルで開催された。スペイン選手権は、本来はスペインの国内選手権だが、現在、ヨーロッパの国内選手権は、トップクラスには世界選手権を走る外国人ライダーも参加ができる。必然的にスペイン選手権にはトップライダーが多く集まり、さしずめ世界選手権の前哨戦のような雰囲気をかもし出している。

 藤波は、2003年シーズンもスペイン選手権に参戦したが、全日本選手権最終戦に出場のためにスペイン選手権最終戦を欠場。ランキングは3位となっている。今シーズンは、藤波がスペイン選手権を全戦出場する初めてのシーズンだ。

 セクションは、滑るうえにダイナミック。前日の下見では、かなり難易度の高い設定かと思われたものだが、しかしトップライダーの毎度のことで、走ってみればそれなりに走れてしまう。1ラップ目、藤波は出だし快調で序盤セクションを戦っていた。

 藤波のライバルは、昨年のスペイン選手権チャンピオンでもあるランプキン。今シーズの世界選手権でも直接対決となるチームメイトを、藤波は徹底的にマークして試合を進める。今年、マインダーに関するルールが若干変更になり、マインダーはライダーひとりに対して2名までと上限が決められた。モンテッサチームはそのとおりライダーひとりに対して2名ずつのマインダーを配したのだが、一方他チームは、正規のマインダー以外にたくさんのチームスタッフを配置していた。2名の枠は、セクションに入れるマインダーの制限で、それ以外のスタッフの人数には制限がなかった。規則の解釈のくいちがいだが、それゆえ、モンテッサチームはライバルチームの動向までチェックする人手がない。結果、ラガやカベスタニーについては、藤波はほとんどノーマークでゴールを迎えることになった。

 藤波の調子が狂ったのは、1ラップ中盤から後半にかけてだ。徐々に持ち時間がなくなってきたうえに、クリーン確実と思われたセクションで、残り5mにしてターンで失敗して5点になったり、しまいには石を動かしたということでイエローカードの5点までいただいてしまった。スペイン人オブザーバーが、スペイン人対日本人の戦いをジャッジするのだから、こういうことが起こっても不思議はないのだが、これらすべてが、うまく回っていた藤波の歯車を狂わせた。

 結局、1ラップ目でつけられたラガとの点差は、2ラップ目にも取り戻すことができず、2ラップ目にもまたいくつかのミスがあって、4位の結果となってしまった。ランプキンには勝てはしたものの、結果はくやしいものとなった。

 しかし今回の結果は結果として、シーズンを見据えての藤波の展望は暗くない。今シーズン初めてのアウトドアの試合で、ライバルの仕上がりなどを見ることができ、内容を見ても、点数的にはともかくも、ライディング的にはまったく歯が立たないということはなかったからだ。調子は決して悪くない。ただ、今回はいろいろなことが積み重なって、悪い結果になってしまったということだ。

○藤波貴久のコメント
今日はぜんぜんダメでした。正直なところ「これで4位に入れるの?」という感想です。へんなところでへんな5点をもらったり、とにかく、5点がすごく多い1日でした。ただし今回は、このへんで、アウトドアの感覚を取り戻しておくにはいい練習となりました。結果にはまったく満足していませんが、そういう点では、収穫の大きかった大会でした。

Spanish Championship 2004
Mancha Real
Final Lap(決勝)
1位 アダム・ラガ 36 (15+21)
2位 アルベルト・カベスタニー 48 (28+20)
3位 マルク・フレイシャ 51 (26+25)
4位 藤波貴久 58 (31+27)
5位 ドギー・ランプキン 59 (30+29)
Ranking
1位 アダム・ラガ 20
2位 アルベルト・カベスタニー 17
3位 マルク・フレイシャ 15
4位 藤波貴久 13
5位 ドギー・ランプキン 11

Pix:Joan Carles Vazquez 公式リザルト(PDF)はこちら
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