2017年 世界選手権Xトライアル第2戦ウイナー・ノイシュタット(オーストリア)

2017年3月11日/Wiener Neustadt, Austria

第1セクションの2点で決まった6位。

photo開幕戦から1ヶ月をおいてのXトライアル第2戦。会場はオーストリアのウイナー・ノイシュタット。2015年以来、これで3年連続の開催となる。

セクションは、自然の木などが配置され、スペイン式の四角い高いが基本のセクションとは味付けがちがう。いわば、アウトドア的な臨機応変な走破力が必要になる。その点では、インドアが得意でない藤波としても、今回はいけるのではないかという読みはあった。

いっぽう、誤算もあった。オブザーバーは前回のバルセロナと同じ人物が担当したのだが、アンダーガードやつま先の設置についての減点が厳しい。現在、Xトライアルのルールではタイヤ以外の接地をすべて減点としている。高いステアでアンダーガードを当てにいってカメにして、そこからつま先で地面をすくい上げるように脱出すると、たいていのアウトドアシーンではクリーンで通過するが、今回のXトライアルでは、下手をするとそのワンアクションで3点を失ってしまう。

その悩みが最初に登場したのが第1セクションだった。今回、スタート順を決めるダブルレーンで、藤波はダビルに先行されてしまった。藤波とダビルは、カドレックとグビアンに次ぐ2組目。1組目のトライをじっくり見ている暇はなく、ダビルに先行してトライしなければいけないとなると、ほとんど参考にするものがない。

第1セクションは丸太の組み合わせ。理想的には、フロントをつってアンダーガードを角に当てずにいきたいところだが、失敗してアンダーガードを当ててしまうと、そこから脱出するのに1回2回足を出すことになり、大量減点となってしまう。

photo考えた末に、藤波はここで2点を覚悟して、確実に走破することを選んだ。5点より3点、3点より2点、というわけだ。

しかし藤波の走りを見てからトライしたダビルは、フロントをつってここをクリアしクリーン。第2セクションは二人ともクリーン、第3セクションは二人とも5点、第4は藤波がクリーンでタイムオーバー1点、ダビルが減点1、第5、第6は二人とも5点、ということで、藤波とダビルの勝負は第1セクションの点差で勝負が決することになった。

この後、二人の減点を上回る選手が現れなければファイナル進出の可能性もあったが、さすがにインドア慣れをしているスペイン勢はそつがなく、ファハルドとカベスタニーが12点と13点、ラガとボウが7点、5点の攻防を見せ、藤波は2戦連続でファイナル進出を逃すことになった。そして2戦連続、6位という結果が残った。

可能性のあった第5セクションを抜けていればダビルより上位でクォリファイを終えられていた可能性はあるも、ファイナル進出については微妙な結果だった。藤波は、Xトライアルをメインターゲットとはしていないが、やるからにはよりよい結果を望みたい。トップ4のスペイン勢の一角を崩さなければいけないわけで、そのためには、今少し、インドアトライアルのテクニックを身に付ける必要があるというのが、今回の実感だった。

○藤波貴久のコメント

「前回に続いて6位でした。今回はオーストリアのセクション設定者が手直しに応じず、無理なセクションはとことん無理という設定となってしまったのですが、いくつか残念なことがあって、ダビルとの5位争いに負けてしまった結果です。ただ、目標としているのは5位ではないので、それ以上の結果を求めるには、さらに何かが必要のようです。肩の調子もよくなっているし、調子は悪くないので、次はいい戦いをしたいと思っています」

X-TRIAL 2017
Barcelona
Final(2ラップ目)
1位 トニー・ボウ レプソルHondaチーム 16
2位 アダム・ラガ TRRS 26
3位 アルベルト・カベスタニー シェルコ 27
4位 ジェロニ・ファハルド ヴェルティゴ 30
Qualification(1ラップ目)
1位 トニー・ボウ レプソルHondaチーム 5
2位 アダム・ラガ TRRS 7
3位 ジェロニ・ファハルド ヴェルティゴ 12
4位 アルベルト・カベスタニー シェルコ 13
5位 ジェイムス・ダビル ガスガス 16
6位 藤波貴久 レプソルHondaチーム 18
7位 フランツ・カドレック ガスガス 24
8位 ロリス・グビアン ベータ 25
PointStandings(ランキング)
1位 トニー・ボウ レプソルHondaチーム 40
2位 アダム・ラガ TRRS 30
3位 アルベルト・カベスタニー シェルコ 21
4位 ジェロニ・ファハルド ヴェルティゴ 21
5位 ジェイムス・ダビル ガスガス 8
6位 藤波貴久 レプソルHondaチーム 8
7位 ハイメ・ブスト レプソルHondaチーム 6
8位 フランツ・カドレック ガスガス 3