前十字靭帯

2013年9月14日

photo藤波貴久は、トレーニング中のアクシデントで全十字靭帯断裂という負傷を負いました。

9月14日、バランスを崩して離陸したジャンプでの着地で右足をついてしまい、そのまま激しくひねるようになってしまった結果の負傷でした。アクシデントに備えてサイズに合わせたサポーターを装着していたのですが、実はガタがあったのか、効果がなかったという残念な結果でした。

すぐ、日ごろからトレーニング、治療などでお世話になっているスポーツトレーナーのところで善後策を検討し、できることを始めています。

こういった負傷の場合、サッカーやバスケット選手ならば、迷うことなく手術を選択することになりますが、その場合、6ヶ月程度のブランクは避けられません。切れてしまった靭帯は復活しないので、別の靭帯を移植してくることになるのですが、これがきちんと機能するかどうかは、個人差もあるということで、手術をしたから完全に元通りになるとも限らないとのことです。さらに手術は腫れが引くなどしないとできないので、2週間から3週間は間を置かなければいけない。

あわせて7ヶ月近いブランクがあると、インドアどころか2014年のアウトドア世界選手権にも参加ができないブランクとなりかねません。

手術以外には、失った靭帯のかわりに膝を支えるべく、とにかくこれまで以上の筋力をつけるという方法もあります。足の筋肉は、使わなくなるとすぐに衰えてしまいます。まだ腫れの引いていない現在ですが、藤波はCOMPEXというトレーニング機器を使って、足の筋肉が失われないような処置を始めています。

このトレーニングを徐々に強化していって、1ヶ月半ほどは筋力をつけることに専念するというのが、現在のところ藤波が選択した治療法です。1ヶ月ほど様子を見ての過程で、やはり手術をしたほうがよいという判断をすることになる可能性もあるのですか、トレーニングがうまく進めば、1ヶ月半後にはオートバイに乗り始めたというニュースが届くかも知れません。もちろん、すべてがうまく進めば、の話ですが。

photoいずれにしても、トレーニングはかなりハードなものとなることはまちがいありません。しかしそれを克服しなければ、藤波貴久がトップライダーとしてトライアルの現場に帰ってくることはむずかしいでしょう。藤波は、この困難を受け入れる覚悟を決め、特別なシーズンオフを迎えようとしています。

今シーズンは、最終的な目標が達成できず、多くの課題を残しました。藤波はその課題をひとつずつ克服するために、シーズンオフの予定を組んでいたところだったのですが、その予定とはまったく異なるシーズンオフを送ることになりました。まずは1ヶ月半の間、オートバイには乗らず、ひたすらに筋力アップに努めることになります。

最悪の、やってはいけないことをやってしまいました。しかし、筋力がよりアップするのは悪いことではないですし、オートバイに乗るトレーニングができない分、メンタルトレーニングなどにも時間を割けるとすれば、不幸中の幸い、という結果もあるかもしれない。今はポジティブに考えて、今後のハードなトレーニングとリハビリに全力を注ぎたいと決意している藤波貴久です。