2011年 世界選手権Xトライアル第6戦ミラノ(イタリア)

2011年3月20日/Milan Italy

くじ運悪し、8位惨敗。

photo2011 Xトライアル最終戦。最後はイタリアのミラノでの開催となった。今回は、クォリファイで前回よりもセクションが一つ減り、5個のセクションでの戦い。持ち時間は変わらず6分だから、忙しいのは変わらない。

最初に走ったのは、イタリアのゲストライダー、マテオ・グラタローラ。藤波は今回はさらにくじ運が悪くて、グラタローラに次いで二人目。常連メンバーの中ではトップを走ることになった。

グラタローラが少しでも走りの参考になってくれればまだよかったが、彼は5点を連発。しかもご丁寧にセクションを攻略しようとするから、走破タイムの目安にもならない。結局、ぶっつけのような感じで5セクションをトライすることになった。

第2セクションは、5点。ヒューム管のコースだったが、最後の最後までクリーンしていて、最後のポイントでフロントがわずかに外れて、アンダーガードを引っかけるような形になって、そのまま落ちてしまった。

第3セクションはクリーンしたが、次の第4セクション。最後の最後に木製のステップがあった。ここにアプローチする助走部分が、コンクリートにペイントしてあって、たいへんに滑った。しかも、そこに至るまでにたいへんに時間がかかった。もし、事前にそれがわかっていれば、いつもの藤波なら、そこはインだけして自ら5点となる選択をするところだが、今回はその判断材料がなかった。結局藤波は、5つのセクションのうち3つで5点、しかもタイムオーバーが3点あった。

今回すべてのセクションを走ってタイムオーバーがなかったのは、ボウだけだった。他のライダーでタイムオーバーがないのは、いくつかのセクションをほとんど走らずに5点をもらっていたからだ。そんな中、藤波は全部のセクションを走ってしまった。その結果が、クォリファイ18点だ。

photoグラタローラ、藤波の走りを見ていたライダー一同は、二人の走りを参考にトライを組み立てられる。この時点で、藤波はセミファイナルへの進出を、ほとんどあきらめていた。逆の立場なら、こういった参考例があれば、自分のトライに必ず反映させて、そこを上回るスコアをマークする自信がある。仮に、藤波のスコアがタイムオーバーなしの15点だけなら、残るライダーの失敗を待てば、可能性はあったかもしれない。しかし5点3つに加えてタイムオーバー3点まであれば、他力本願でファイナルに進出するのは、きわめてむずかしい。

やはり、あとのライダーはまちがえなかった。チャロナーとブラウンが12点で6位争い。タイブレイクで今回はブラウンがセミファイナルに進出した。藤波のスコアとは6点差。今回は惜敗ではなく、完敗だった。

今回は、ダビルが3位でセミファイナルに進出し、ファイナルで4位に入った。ダビルは今シーズン、くじ運が悪くずっと実力を発揮できないでいた。今回のダビルはくじ運がよかったので、これだけの成績を出すことができた。トップ4にはいればある程度のスタート順は確保できるが、それ以降のライダーはくじ運で運命が決まってしまう。Xトライアルは、まだまだ迷走を続けているといっていい。

なお、チームメイトのトニー・ボウは2位のファハルドにほぼダブルスコアで優勝。2011年の全戦に渡って勝利するという快挙を成し遂げた。

また、テレビ中継の始まる前に、ライダーが一列に並んで日の丸を掲げ、大震災に見舞われた日本へのエールを送っている。

○藤波貴久のコメント

「最後はクォリファイ敗退という結果に終わってしまいましたが、2010年に比べて、2011年はよかったのではないかと思います。2010年は予選落ちばかりという印象でした。今年は結果はたいして変わらないものの、もう少しちゃんと戦えたという実感があります。ただ、印象は悪くないですが、成績そのものはたいして変わらない。その点は、やはりくやしいなぁと思います。今回の結果を不運と片づけてはいけませんが、走りや内容は悪くないと思っているので、アウトドアに向けてはマシンとのコンビネーションもいい状態で進んでいます。今はアウトドアのシーズンを楽しみにしたいと思います」

Indoor Trial WorldChampionship 2011
Milan
Final Lap(決勝)
1位 トニー・ボウ レプソル・モンテッサ・ホンダ 2+6+2=9
2位 ジェロニ・ファハルド オッサ 8+2+7=17
3位 アダム・ラガ ガスガス 11+1+6=18
4位 ジェイムス・ダビル ベータ 12+1+15=28
5位 アルベルト・カベスタニー シェルコ 16
6位 マイケル・ブラウン ガスガス 21
Qualificarion Lap(予選)
1位 トニー・ボウ レプソル・モンテッサ・ホンダ 0+0=0
2位 アルベルト・カベスタニー シェルコ 5+1=6
3位 ジェイムス・ダビル ベータ 7+3=10
4位 ジェロニ・ファハルド オッサ 10+1=11<0>
5位 アダム・ラガ ガスガス 11+0=11<5>
6位 マイケル・ブラウン ガスガス 12+0=12<1>
7位 ジャック・チャロナー ベータ 11+1=12<5>
8位 藤波貴久 レプソル・モンテッサ・ホンダ 15+3=18
9位 マテオ・グラタローラ ガスガス 21+4=25
*4位と5位、6位と7位はタイブレークで順位を決した
PointStandings(ランキング)
1位 トニー・ボウ 120
2位 アルベルト・カベスタニー 75
3位 アダム・ラガ 75
4位 ジェロニ・ファハルド 60
5位 藤波貴久 34
6位 ジャック・チャロナー 24