2009年 インドア世界選手権第4戦ボルツァノ(イタリア)

2009年2月26日/ボルツァノ・スタジアム/観客数:--人

2度目の表彰台、ぎりぎり獲得

photoぎりぎりの戦いだったが、3位表彰台を獲得することができた。開幕戦は2位入賞と幸先が良かったが、この2戦結果が出ずに苦しんだ。今回も、結果には100%満足しているものではないが、表彰台という最低限の目標をクリアしてひと安心というところだ。

クォリファイは4位で通過した。チームメイトで、この日タイトルを決める予定のトニー・ボウはあいかわらず絶好調で2点。これにジェロニ・ファハルド(ベータ)とアダム・ラガ(ガスガス)が4点でつづき、藤波は5点。さらにアルベルト・カベスタニー(シェルコ)が6点と、2位から5位までは大接戦のクォリファイだった。セクション設定が、あまり激しいものではないというのも、この神経戦を演出したといえる。

ファハルドとラガは同点だったが、2位がファハルド、3位がラガとなった。4位の藤波にとっても、この結果は他人事ではない。ファイナルの最初に設けられているダブルレーンの相手が、これで決定されるからだ。4位の藤波は、3位のラガと勝負をすることになった。

最初の勝負はマイケル・ブラウン(シェルコ)とカベスタニー。これは、順当にカベスタニーが勝利した。カベスタニーが勝ったなぁとくらいにしか見ていなかった藤波は、しかし次の瞬間、大きな損をしたことに気がついた。

ラガと並んでダブルレーンのスタートを待つ。いつもなら、ピッピッピとブザーが鳴ってスタートとなる。ところが今回、ピーと鳴ったのでさぁスタートだぞと身構えたところ、となりのラガがぴゅーんとスタートしていった。いつもとはスタート段取りがちがうらしい。完全に出遅れた。

ダブルレーンは、今年は2回続けて負けた。だからダブルレーンに負けない作戦も検討して、もう負ける予定はない。ところが今回は、スタート方法のちがいにやられて、万事休すだ。それでも途中の折り返しでなんとか追いついた藤波は、後半、ぐんぐん追い上げた。しかしやっぱり、スタートでの出遅れは致命的で、これは負け。いきなり、2点のハンディを背負って戦うことになってしまった。

ファイナルのセクションも、やはりいくぶん簡単めだった。事前に下見したライダーは、これではイマイチということで、ずいぶんと手直しをして難度を高めてもらった。難度はずいぶんと上がったが、それでも結局、そうは不可能というセクションはほとんどなかった。

セクションを走る藤波は、5点にならない走りを心がけながらも、攻める走りを続けていた。いい感じの走りができたと、本人も実感していた。それだけに、ダブルレーンでの2点が悔やまれるところだ。

むずかしいのは第3と第4。ここでカベスタニーとファハルドが落ちて、藤波は2点のハンディを背負いながら3位に躍り出た。悪くない。

photoその後、さらに2位を狙いたいところだったが、ラガとは最初から2点の開きがある。ちょっと苦しい。結局最終セクションで、藤波はカベスタニーとともに失敗して5点。カベスタニーに1点差で3位の座を獲得した。ラガとは4点差だった。

優勝のボウは減点1だからちょっと届かないにしても、ダブルレーンに勝ったラガとカベスタニーとは充分に勝負をしている実感がある。2位を狙いたいところだったが、ダブルレーンでの失敗もあって、今回は3位に落ち着いたというところだ。

ところで、実は藤波は、少し故障に悩まされている。ライダーやテニス選手では珍しくないひじの痛みで、これがマルセイユあたりから続いていて、バルセロナではちょっとひどかった。今回はだいぶ痛みもひいたのだが、もしも回復が長引いて、アウトドアのシリーズにも影響があるようだと問題なので、早期の回復をめざして外科治療をするかどうかを、今検討中だ。藤波にとって、インドアでの成績ももちろん大事だが、やはりそれ以上に、アウトドアは藤波の本当の戦場。ここに焦点を合わせるべく、藤波はちょっと思慮中なのである。

○藤波貴久のコメント

「なんとか3位でした。これで残りはあと1戦。ランキングはなんとか3位に入りたいところですが、カベスタニーと2ポイント差。インドアでの2ポイント差は、優勝するか、間に誰かに入ってもらわないと行けないポイント差なので、現実的には無理っぽいです。なのでここまできたら、ランキングがどうこうよりも、インドアでどこまで自分の腕が通用するか、それを試しつつ、できたら一番上に立ってみたいなぁと願っています」

Indoor Trial WorldChampionship 2009
Bolzano
Final Lap(決勝)
1位 トニー・ボウ レプソル・モンテッサ・HRC 1
2位 アダム・ラガ ガスガス 6
3位 藤波貴久 レプソル・モンテッサ・HRC 10
4位 アルベルト・カベスタニー シェルコ 11
5位 ジェロニ・ファハルド ベータ 20
6位 マイケル・ブラウン シェルコ 29
Qualificarion Lap(予選)
1位 トニー・ボウ レプソル・モンテッサ・HRC 2
2位 ジェロニ・ファハルド ベータ 4
3位 アダム・ラガ ガスガス 4
4位 藤波貴久 レプソル・モンテッサ・HRC 5
5位 アルベルト・カベスタニー シェルコ 6
6位 マイケル・ブラウン シェルコ 10
7位 マテオ・グラタローラ シェルコ  
PointStandings(ランキング)
1位 トニー・ボウ 30
2位 アダム・ラガ 22
3位 アルベルト・カベスタニー 20
4位 藤波貴久 18
5位 ジェロニ・ファハルド 12
6位 マイケル・ブラウン 7
7位 ドギー・ランプキン 4
8位 ロリス・グビアン 1
マテオ・グラタローラ 1