2006年 インドア世界選手権第3戦スペイン・グラナダGP

2006年1月22日/Palaclo Munlclpal de Deportes/観客数:6000人

三たびの5位。1点差が、遠い

グラナダphotoのセクションは、藤波にとって、けっしてむずかしいものではなかった。チームメイトのドギー・ランプキンとも、試合前にいっしょに下見をし「今回は可能性があるね」という話をしていた藤波だった。

しかし、スペインライダーとインドアトライアルの関係は、もはや日本人やイギリス人のつけいる隙を与えないところに到達しているのかもしれない。日本人とイギリス人が「いけるかもしれない」と話しあっている横で、スペインライダーは「このセクションはスペイン選手権のときに使ったものだから、こういういきかたでいけばよい」という相談をしている。戦いかたの次元がちがってきてしまっている。

インドアのセクションは、その会場にもともと設置してあるものではない。今、スペインではインドアのスペイン選手権がおこなわれている。インドアのセクション設営者は、効率よくスペイン選手権と世界選手権の設営を担当している。設営の効率もよいが、ライダーのほうも効率よくセクションを攻略できる。割を食うのが、スペイン選手権に参戦していない非スペインのライダーである。

ここのところ、藤波はアウトドアの練習では、めっぽう調子がよい。1年前と比べればもちろん、ランキング2位で終えた昨シーズン全般と比べても、今のほうがはるかに調子よく走れている。だからその調子で走れば、インドアでもきっと結果が出るにちがいないと信じて会場入りをする。この週も、マルセイユの結果で落ち込んだ気持ちを日々の練習で上向きにし、よい状態でグラナダに乗りこんだ。

いまやphotoレギュラーと化したワイルドカードのボウは、ダビルに次いでセクションイン。ダビルはすべてのセクションで5点となったが、ボウは3点で8つのセクションを終えた。イタリアのマウリノが27点とオール5点のダビルを大きく引き離したあと、カベスタニー、ラガ、藤波と続く。カベスタニー、ラガともにセクションでの減点はたったの1点。ファイナルに進出するには、とにかく5点が許されない。

藤波は第1で1点をとったあと、第4でビッグステップに登れず5点となった。これは同じくランプキンも5点となっているもので、アウトドアに焦点を絞ったスペシャルマシンがインドアでは本領を発揮していない領域でもありそうだ。しかし、その次の第5セクションがいけなかった。ここでライディングミスをした5点を喫した藤波は、これにてファイナル進出をのがした。

藤波のあとに走ったファハルドは、終盤にミスを連発して10点。1点差だから、ダブルレーンの結果次第では藤波に4位の可能性もなくはなかったが、セクションの走破タイムで比べると、ファハルドは藤波より1分ほど早くゴールしていたので、同点ならファハルドが上位となる。

結局ファハルドは、ダブルレーンでボウに勝利し藤波との1点差を守って4位となった。藤波は、ついに4戦連続で5位という成績に甘んじることになった。

調子は悪くなphotoいのだがと毎回報告しているが、いかに調子がよくても、成績がついてこなければ、ライダーもチームも、モチベーションが上がらない。スペインライダーの走りは、インドアに充分対応したもので、ライバルからみても、やはりうまい。しかし手をこまねいているわけにもいかない。

非スペインライダー、そしてモンテッサライダーにとって、人車ともにインドア慣れをしていないのが大きな問題だ。もともとインドアを走り慣れているといえないところに、いまやスペイン人がどんどんインドアの経験を積んで、技術を向上してきている。といって、なんでもいいからインドア大会に出て経験を積もうにも、シーズンに入ってしまった今は、毎週大会の予定が入っていて、それもままならない。

藤波とモンテッサは、ちょっとした試練のときにいる。

○藤波貴久のコメント

「なかなか上へいけませんね。これで3戦連続5位。アウトドアの練習ではとても調子がよいので、毎週金曜日頃にはとても気分もよく、いい調子でインドアに乗り込むのですが、試合が終わってがっかりするのがお決まりになってしまいました。今回は、特に練習の調子がよかったから、結果はこれまでと同じでも、今年一番落ち込んでいます。このままじゃ、よくないですね。なんとしてでも、4人に食い込んでいかなければいけません。スペインを離れるこれから、チャンスをつかんでいきたいと思っています」

フジガスに応援メッセージを!

Indoor Trial WorldChampionship 2006
Granada
Final Lap(決勝)
1位 アルベルト・カベスタニー シェルコ 3
2位 アダム・ラガ ガスガス 7
3位 トニー・ボウ ベータ 12
Qualificarion Lap(予選)
1位 アルベルト・カベスタニー シェルコ 1
2位 アダム・ラガ ガスガス 2
3位 トニー・ボウ ベータ 4
4位 ジェロニ・ファハルド ガスガス 10
5位 藤波貴久 レプソル・モンテッサ・HRC 11
6位 ドギー・ランプキン レプソル・モンテッサ・HRC 14
7位 ダニエル・マウリノ ガスガス 27
8位 ジェームス・ダビル ベータ 40
PointStandings(ランキング)
1位 アダム・ラガ 26
2位 アルベルト・カベスタニー 21
3位 トニー・ボウ 21
4位 ジェロニ・ファハルド 19
5位 藤波貴久 12
6位 ドギー・ランプキン 9
7位 ジェームス・ダビル 3
8位 ダニエル・マウリノ 2
9位 ジェローム・ベシュン 2
10位 タデウス・ブラズシアク 1
11位 シャウン・モリス 1

pix: Joan Carles Vazquez Chilli 公式リザルト(PDF)はこちら
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