2005年 インドア世界選手権第6戦(全12戦) ロシア大会

2005年2月12日/Peterburgsky Sports Complex/観客数:12000人

苦戦の続くインドアの戦い

西ヨーロッパを離れて、ロシアのサンクト・ペテルブルグを開催地としたインドア世界選手権。ロシア大会も、今ではインドア選手権の定番のひとつとなったようだ。

アウトドアの世界選手権に向けてニューマシンを開発中のモンテッサチームは、ロシアへの遠征を、スタンダードベースのマシンで臨むことを選択した。このマシンは、インドア選手権第1戦のイギリス・シェフィールド大会で走らせて以来、第一線の戦いには登場していない。前回バルセロナでは、藤波のメインマシンが損傷したため、クォリファイラップ後半はこのマシンを走らせたのだが、これは緊急事態なので事情がちがう。第1戦では、藤波はこのマシンで3位に入った。スタンダードベースでも、充分なポテンシャルを発揮するという実績はあった。

しかし、いざ試合に臨んでみると、この思惑はややあてが外れたようだった。スタンダードのマシンにはスタンダードの乗り方があり、ワークスエンジンマシンにはその乗り方がある。シェフィールドの大会以来、バルセロナの会場でしかこのマシンに乗っていない藤波が、再びスタンダードに乗るのは、さしもの藤波にも苦労が大きかった。

ロシアのロシアの古都、サンクト・ペテルベルグのスタジアムに用意されたセクションは、そんなにむずかしいというものではなかったとのことだが、高い段差など、行けるか行けないかのセクションで、藤波は減点を加算していき、またもファイナル進出はならなかった。

チームメイトのランプキンも、与えられた体制は藤波と同じだが、今回のランプキンは乗りに乗れていた。ランプキンは地元シェフィールドの大会でファイナルに進出できない屈辱を味わったあと、シェフィールドでスタンダードマシンのセットアップをおこなったようだった。マシンとライダーのコンビネーションでいえば、この点が藤波に対してのアドバンテージだったかもしれない。

藤波、そしてフレイシャ(なんとワイルドカードのブラズシアクにも大差をつけられてしまった)と、今回のモンテッサチームはとても満足のいく成績とはいえないが、ランプキンの活躍を見る限り、ニューマシンのポテンシャルに問題があるのではなく、開発中のマシンで、しかもときにはそのマシンを投入することもできないというローテーションの中で選手権を戦うというむずかしさが、シーズン中盤、あらためて明らかになっている印象である。

次の大会は、2月19日、イタリア、ミラノで開催される。

○藤波貴久のコメント

「ふだんワークスエンジンのマシンに乗っていて、大会だけスタンダードマシンに乗るのは、思っていた以上に乗り換えがむずかしかった。今回もまた、たいへんな試合になりました。今回試合で使ったマシンには、インドアの戦いでシェフィールドの1戦とバルセロナの数セクションを走った他、さわってもいない状態でしたから、しかたないといえばしかたないのですが、でも、ラガに6連勝されてしまって、モンテッサとしてもそろそろ本領を発揮しないとおもしろくない。そろそろガツンといこうじゃないかとチームでミーティングをやったところです。こんなもんじゃないのは確かなんですけど、早く証明しないといけないですね」

Indoor Trial World Championship 2005
Round 6
Final Lap(決勝)
1位 アダム・ラガ ガスガス 7
2位 ジェロニ・ファハルド ガスガス 15
3位 ドギー・ランプキン レプソル・モンテッサ・HRC 22
Qualificarion Lap(予選)
1位 アダム・ラガ ガスガス 2
2位 ドギー・ランプキン レプソル・モンテッサ・HRC 6
3位 ジェロニ・ファハルド ガスガス 8
4位 アルベルト・カベスタニー シェルコ 11
5位 藤波貴久 レプソル・モンテッサ・HRC 19
6位 タデウス・ブラズシアク ガスガス 20
7位 マルク・フレイシャ レプソル・モンテッサ・HRC 31
PointStandings(ランキング)
1位 アダム・ラガ 60
2位 アルベルト・カベスタニー 43
3位 ドギー・ランプキン 33
4位 藤波貴久 28
5位 ジェロニ・ファハルド 27
6位 マルク・フレイシャ 21
7位 トニー・ボウ 5
8位 タデウス・ブラズシアク 5
9位 ジェローム・ベチューン 5
10位 野崎史高 1

Pix:Octagon Esedos
< http://www.worldtrials.info/>
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